息子も中学生になり、遠回しに「スマホが欲しい」ような言動がちらほら聞こえてくるようになりました。妻からも「ゲームと一緒で、今では(スマートフォンは)子どもたちのコミュニケーションツールの一つよ」と言われる次第です。
しかし、「LINEグループいじめ」や「中高生のスマホ依存症」などの記事を目にすると、スマートフォンを持たせるとことに対する心配が湧いてくるのは、私だけではないと思います。
基本的に中学生のスマートフォン所持には反対の私ですが、何も調べず、現状認識も薄い中で感情的に反対!反対!と言っても説得力がありません。私なりにスマートフォンを持つメリット、デメリットを調べ、スマートフォンをお子さんに与えている親御さん、与えていない親御さんの意見を聞き、我が家ではどうすべきかを検討した結果を、ここにまとめてみました。中高生のお子さんを持つ親御さんはぜひ参考にしてください。
中学生にスマートフォンを持たせてよいか?
中学生のスマートフォン保有率は、2016年では5割を超えているそうです。高校生にいたっては、9割以上の子どもがスマートフォンを持っているのですから、時代の流れを感じます。
息子の仲の良いクラスメート4人組のうち、2人はスマートフォンを持っており、1人はタブレット端末を持っていたようです。1人だけ電子端末を持っていないからといって仲間外れにされている訳でもないですが、そう言われると無下に「スマホはダメ」とも言い辛くなりますよね。
親御さんや塾の先生などの話を聞いても、スマートフォンは「百害あって一利なし」という意見の方から、「自分が子供ならば絶対に欲しいだろうな」という方まで、賛否それぞれの意見は家庭の数だけありました。
ネット上に出ている意見としては、反対派の意見の方が多く見られたように感じました。私の推察ですが、スマートフォンを子どもに与える際に、色々と考える親御さんもいれば、何となくの流れや、子どもに負けて買い与えている親御さんも多いため、ネット上に書かれる賛成意見が少ないのかもしれません。その反面、子どもが欲しがるスマートフォンを親が反対するには、それなりの理由を子供に示さないといけません。理由なしにダメと言っても子供は納得しません。したがって、反対する場合は反対する理由を考えている親御さんが多いので、ネット上にもそのような書き込みが多く流れてくるのではないでしょうか。
みなさんも、よく考えてみてください。今や現代社会で生きていく上でスマートフォンはなくてはならないコミュニケーションツールの1つになりつつあります。いや、もうなっているかもしれません。みなさんも、たった今、スマートフォンを何らかの理由で取り上げられたら、どうなるでしょう。全く問題ないという方もいるかもしれませんが、多くの方々が日々の生活に何らかの支障をきたすことになるでしょう。
これは中学生でも同じではないでしょうか。中学生になると、学校以外にも部活や塾などの習い事、子ども同士での外出など、生活の幅が格段に広がります。そのような中で、スマートフォンは持っていなくても何とかなるかもしれませんが、不便さは想像に難くないでしょう。
スマートフォンは生活の必須アイテムになりつつあるにもかかわらず、その扱いにはまだまだ問題があり、正しく使いこなすには使う人のスマートフォンに対する知識、リテラシーや技術が必要です。大人であれば、多少使いこなせなくて、問題やトラブルが起きても自分で責任を負えますが、まだまだ未熟な中学生ではそうはいきません。
したがって、スマートフォンを子どもに与えるのであれば、子どもの足りないスマートフォンの知識、リテラシーや技術を補うのは、保護者の役目です。
以上のことから、現在のスマートフォン事情を鑑みると、保護者つまり私たち親が次の条件をクリアできるのであれば、子どもにスマートフォンを持たせてもよいと結論付けました。
中学生にスマートフォンを持たせてもよい親の条件とは、
- スマートフォンを親の管理下に置くことができる。
- 子どもにスマートフォンの危険性を教えることができる。
- スマートフォンにフィルタリング機能等のペアレンタルコントロールを設定できる。
- スマートフォンの利用ルールを作り、子どもに守らせることができる。
以上の4点です。
妻とも相談し、我が家はこの4つの条件をクリアできると判断し、息子にスマートフォンを買い与えることにしました。
この判断をするにあたり、私が参考にした中学生がスマートフォンを持つメリット、デメリットを紹介したいと思います。
中学生がスマートフォンを持つメリットは?
1.膨大な情報を早く入手できる
難しい漢字や用語、世界史や日本史、数学の解き方まで、勉強に関することだけではなく何でも探すことができます。英単語は意味や用例を知ることができるだけではなく発音を実演してくれます。昔は辞書や参考書、百科事典などを必死になって調べていたことを瞬時に知ることができます。
政治、経済や社会のニュースなども、以前は新聞や雑誌でないと手に入らなっかた情報を簡単に入手することができます。今ではテレビよりも早く教えてくれます。
これら膨大な情報を時間をかけずに得ることができるのは非常に大きなメリットだと言えます。
2.事件や災害時の安全確認ができる
中学生になると部活や遠方の学校に通うようになり、帰りの時間が遅くなることもあります。特に女の子であれば夜道を1人で歩かせるのは心配になりますよね。また、万が一子供が事件や事故に巻き込まれた時に、スマートフォンを持っていると子どもの居場所を特定することができますし、連絡をとることもできます。
災害時に通信が混雑して携帯電話がつながらなくなることもありますが、インターネットさえつながれば、LINEやSkype、Viberなどの通話機能を使って電話連絡ができます。また、電話以外にもTwitterやFacebookなどのSNSを使っても連絡を取り合うことができます。
スマートフォンは緊急時の連絡手段、居場所確認ツールとしては大いに役立ちます。
3.子ども居場所がわかる
部活や塾などで子供の送り迎えをするご家庭もあるかと思います。そのような時にスマートフォンを持っていると、子どもがどこにいるのかが分かりますし、帰りの際に連絡もとれるので、無駄な待ち時間を減らすこともできます。
また、行き先を登録しておくと、子どもが目的地に到着したことを知らせしてくれたりもします。遠方の塾や習い事をしていると、行き返りが心配にもなりますが、この心配が少しでも解消されるのは親にとってはありがたいことです。
4.友達との繋がりを得やすい
上でも書きましたが、中学生の半数以上がスマートフォンを持っている時代です。そして最近の中学生はLINEなどのSNSを通じて情報交換を行うようになっています。スマートフォンを持っていると、その友達の輪に入り易かったりもします。
学校などでSNSでの話題で盛り上がっているのに、スマートフォンを持っていないだけで、その輪に入り難かったり、連絡をもらい損ねたりすることもあります。親としては「そのくらい、大した事ではない」と思えますが、多感な時期の中学生にとっては、疎外感を感じてしまうこともあります。
現在、スマートフォンは友達との横のつながりを作るのに有用なコミュニケーションツールの1つとなっているのは確かです。
5.学校や部活などのお知らせが届く
このご時世、学校や部活、塾、さまざまな習い事等々、お知らせなどの情報伝達手段としてインターネットが使われるようになっています。お知らせなどの告知をWebサイトやEメールで流すのは、どこでも当たり前になってきました。最近ではLINEなどのSNSを使うようになった学校もあるようです。
将来、スマートフォンを持たせるかどうかで悩むのではなく、必要に迫られる時代が来るのも、そう遠くないかもしれません。
中学生がスマートフォンを持つデメリットは?
1.事件や犯罪などに巻き込まれる。
ゲームに限らずSNSなど様々なアプリで課金ができるため、知らないうちに何万も課金していたという話をよく聞きます。子どもが課金でできないような設定などの対策が必要です。
LINEやTwitter、FacebookなどのSNSを通じて、知らない人とつながる可能性があります。仲間内だけにしかつながらないような設定にするか、SNSを禁止するなどの対策が必要です。
スマートフォンを使っていると、ワンクリック詐欺や個人情報の流失、出会い系サイト関連の犯罪に巻き込まれる危険性があります。大人でも、不審なEメールの添付ファイルをクリックしてはいけないと言われていても、ついクリックしてしまう人は少なくありません。ましてや知識や経験の未熟な中学生では、自分で対策をとるのは難しいでしょう。
スマートフォンの正しい使い方をしないと、親の知らないところで子どもが犠牲者となる可能性も否めません。
2.人間関係のトラブル
スマートフォンを持っていると友達との横の繋がりができやすい反面、人間関係のトラブルに巻き込まれやすい側面も持ち合わせています。
昨今では「LINEグループいじめ」が社会問題になっています。文字だけの世界なので、ちょっとしたことで誤解を生み、それがこじれてグループラインに悪口を入れてしまい、仲間外れやいじめに発展するケースが起こり易かったりします。
LINEを使う方々の間で「既読スルー」という呼び方があります。読んだのに返信しないことです。読んだのに返信しないのは、無視しているのではないかと誤解を生んだりします。これも、仲間外れやいじめに発展する場合があるのです。
これらは決して他人事ではなく、スマートフォンを持っている子どもたち全員が被害者や加害者になる可能性があるのです。
3.成績が下がる
当たり前ですが、スマートフォンに費やす時間が増えれば、他の何かの時間が減ります。ほとんどの場合、勉強時間が減ることになります。
また、SNSは依存性が強いと言われていますので、メッセージの返信が気になって勉強に集中できなくなることもあります。
スマートフォンの時間管理、所有管理などのルールをしっかり決める必要があります。
4.視力低下
「ブルーライト」がPCやスマートフォンから出ているのはよく知られていると思いますが、このブルーライトは目にとっては非常に負担になります。
また、ただ単にスマートフォンを使うだけで、目が悪くなることはありませんが、同じ距離を長時間見続けることが視力を低下させることにつながります。つまり、長時間のゲームやSNSは禁物です。
5.ゲームやSNS依存症の危険性
スマートフォンには、さまざまなアプリをインストールすることができるため、さまざまな依存症になる危険性があります。代表的なものは、ゲームとSNSでしょう。
ゲーム依存症はゲーム好きな子どもであれば誰しもかかる可能性がありますが、スマートフォンは簡単に無料ゲームアプリをダウンロードできるため、ゲームを始めるハードルが非常に低いのです。
そしてLINEをはじめとするSNSは、頻繁に友達と交信するため、常にスマートフォンを操作している状態になる可能性があります。LINEなどでは「既読スルー」して友達との仲をこじらせたくない思いから、常にLINEを気にするようになる危険性があります。
まとめ
中学生にスマートフォンを持たせることに対する親御さんの意見としては、肯定派では「友達付き合いのためには必要」「勉強のためには良い」、否定派では「トラブルに巻き込まれる」「お金がかかる」といったところが多かったようです。
肯定派のみなさん中にも本音は持たせたくない親御さんも多いと思いますが、このご時世ですから、持たせないという選択肢の影が薄くなっているようにも感じているのでしょう。
スマートフォンは現代社会において、非常に便利な道具です。しかし、他のいろいろな道具と同じように、使い方によっては危険な道具にもなります。子どもが初めて包丁やカッターを使うとき、親がその使い方や危険性を教えますよね。それと同じように、まだまだ未熟な中学生に道具の使い方を教えるのは親の義務ではないでしょうか。
スマホを持つか持たないかって難しいですよね。
メリットもデメリットもたくさんあるから余計に…。
もうすでに親よりも子供たちの方がSNSに詳しかったりするんですけどね。
ひよこさん、コメントありがとうございます。
このご時世、子どもでもスマホは持つのが当たり前という時代なのでしょうか。
親として、スマホを持たせるのはしかたがないことだと割り切って、スマホのデメリットやリスクを知り、子どもとそのことについて話をするのが大切かと思っています。
子供のスマホにはペアレンタルコントロールを入れていますが、まだまだ不十分です。スマホメーカーやアプリ業者の方々には、ペアレンタルコントロールの充実を願うばかりです。