息子は反復学習を非常に嫌がっていました。受験を控えて勉強をしなくてはいけないと分かっていても、まだまだ小学生です。同じ学習方法を繰り返すのは、面倒くさがって、やる気が全くありませんでした。
しかし、2つのことを実行することで、息子は反復学習を嫌がらなくなりました。その方法を解説したいと思います。
わが家の反復学習の方法、これでモチベーションアップ
息子が反復学習を嫌がらなくなったポイントは、
- 答えを写してもよいことにした。
- 満点を取るのではなく、合格点を目指した。
の二つです。
まずは簡単な例でわが家の演習問題での反復学習の進め方を説明します。
:これを繰り返す
ひとつの分野の区切りがきたので、反復する。
:これを繰り返す
このように問題を解いていきました。
まず最初(1回目)は答えを見ながら問題を解いてもよいことにしました。解けない問題が多かったり、続いたりすると、それだけで子どもは嫌になります。問題を読ませるところから始めました。
答えの写し方ですが、例えば、選択形式の問題は選択肢の記号を写すのではなく、選択肢の文章や単語を書き写すようにしました。数式や計算式がある場合は答えだけではなく式も書くようにします。また、間違えたり、写したりした問題には目印、わが家では“△”を付けるようにしました。大よそどれ位解けたかを把握できるようにします。ちなみに、目印に“△”を付けたのは、“✕”だと間違ったイメージが強く、それがたくさんあると、それだけで気持ちが萎えてしまいそうだからです。
ここで心配なのが、答えを見ながら問題を解いていくと、次の問題の答えも見えてしまうことです。私は次の答えが見えても良いから、必ず問題を読んで答えが何か、問題と答えを見比べるように息子に言いました。まずは、問題やその単元の内容を理解することが大事だと考えたからです。
しかし、息子の場合は後ろめたかったのか、大問や小問の区切りのよい箇所やページの切れ目等で答えを見るように自分で考えて、次の答えが見えないようにしていました。人間という生き物は、見るなと言われれば見たくなり、見ても良いよと言われれば、見なくなるものなのですね。
演習問題を幾つかの単元か分野を一巡すると、あらかじめコピーしておいた同じ問題を再度(2回目)解きます。2回目は答えを見ないで解くようにします。その際、1回目で解けた問題数を確認して合格となる正答数を決めます。例えば、1回目で問題を解けた数が30問中5問だとしたら、合格ラインは10問程度にします。ここでは届きそうな数を合格ラインにすることが大切です。+2~3問でも良いですが、多すぎるのは禁物です。1回目の問題で解けたのが2問しかない時でも、2回目の合格点は5問でも4問でも良いです。解く問題の得意、不得意を考えながら合格点を決めます。
そして、2回目の問題を解いた後に、子どもに答え合わせをさせます。間違えや空欄だったところは1回目の答え写しと同じように、選択肢の文章や単語、数式までを書き写すようにします。わが家では赤ペンで答え合わせをするのではなく、問題の解答を書くときも答え合わせするときも全て青ペンで書かせていました。ですから、どれだけ解けたか把握するために、目印(わが家では“△”)を付けるようにていました。
2回目と同じように3回目、4回目と合格点を少しずつ上げていき、問題を解いていきます。ここで大事なのは、答え合わせをして合格点に届いたかどうかを親子で確認し、合格点にとどいていれば褒めます。とどいていなくても、1回目より多く解けていれば、それを褒めます。3回目、4回目になると前回よりも解けた数が減ることもありますが、解けなかったところを写して、次頑張るように励ますだけで大丈夫です。
解けた問題が8割に達するか、反復回数は5回を上限としました。得意な分野は2、3回で8割正答になりますし、苦手な分野でも5回以上はさせませんでした。
やる気スイッチの理由
息子は一度解いた同じ問題を二度、三度と解くのを非常に嫌がっていました。本人は親や先生が何度も話しているので、頭では繰り返し学習をしないといけないと分かっているのですが、なかなかやる気スイッチが入りませんでした。
ある日、問題の成績が悪くて、親子げんかになったとき、息子の発する言葉から、
- 苦手な問題をもう一度解くのは苦痛だ。
- 一度解いているのだから全て解けても当たり前、同じことを繰り返すのは無駄だ。
という意識があるように感じました。
これは問題を解いて点数が悪かったらどうしようという不安が原因ではないかと私は考えました。点数が悪いと親から怒られるし、もっと勉強しろと言われるし、何より息子自身のモチベーションが下がるし、そのような不安が、上記のような言い訳に繋がったのではないでしょうか。息子は、問題を繰り返し解くプロセスが苦痛だったのではなく、解いた後に悪い結果が出るのが嫌だったのだと思います。
そこで考えたのが、「答えを写してもよい」、「満点でなくてもよい」ということです。
苦手問題でも、答えを見ても良いとなれば、どんどん解け(進み)ます。合格点は満点ではなく、簡単に取れる点数です。高得点が取れなくても悪いことではない、何ら問題ではないことだと分かれば、苦になりません。とにかく、同じ問題、同じ単元、内容を繰り返し読み、書くことを目指しました。
途中からは、息子に「合格点は何点にしようか?」と尋ねると、自分で決めるようになりました。そうすると、私が考えるより高い点数を言うようになり、だいたいその点数に近い点数をとるようなりました。その反面、合格点に達成できないことも増えましたが、これまでのように嫌になって、投げ出すことはなくなりました。
おそらく、点数が悪くても、気に病むことがなくなったので、気軽に取り組めるようになったのでしょう。次に問題を解けば点数が上がることに気付き、苦手な単元でも、ある程度の点数がとれるようになるので、モチベーションを維持することもできるようになりました。私は息子のやる気スイッチが入ったのかなと思いました。
まとめ
このやり方で、塾で学んできた理科の教科書の演習問題4年生から6年生までを解き直しました。それも6年生の9月にです。理科の偏差値が半分以下とどうしようもないことになっていたからです。
全てを解き終えるのに1ヶ月以上かかりましたが、息子は途中で諦めることなく、やり遂げたのです。その後の模試では理科の偏差値が17点も上がりました。これには私もびっくりしました。
われわれ親は結果にとらわれ、点数だけを見て判断してしまいがちです。しかし、結果を生むのはそれまでの準備であり、プロセスであるということは重々分かってはいるつもりでも、なかなかそこには目を向けていないことが多いと感じました。
早急な結果を求めるのではなく、何事もどうやれば積極的に臨めるようになるかを考えないといけないなと反省しました。